クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
「緊張して、手汗かいちゃいました。」
紗奈は手を離そうとするのになかなか離してもらえない。

「俺の方が緊張した。」

えっ⁉︎紗奈は思わず要の顔をみる。

まったく緊張してるようには見えずむしろ落ち着いてみえたのに⁉︎

「まったく緊張してるようにはみえなかったんですけど…」
びっくり顔で要の顔を伺う。

「元々顔に出ないタチなんだ。」
要は、繋いだままの紗奈の手をそっと引っ張って自分の胸に近づける。

ドキドキと鼓動が早く打っている。

「なっ?
俺だって手に汗握るほど緊張してた。」

「同じですね。」
紗奈は一緒なんだと嬉しくなった。

ずっと家族に引越した事さえ言えてなかったのでこれで少し肩の荷が降りた気持ちになる。
でも紗奈は肝心な事を思い出す。
要の両親に挨拶してないと焦り出す。

「か、要さんのご両親は?
私の事はご存じですか?
ご挨拶に伺うべきでは無いでしょうか?」
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