クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
「そろそろ寝ようか。
明日は休みだから目が覚めるまでぐっすり休んで。なんなら一緒に寝ようか?」

いたずらっ子の目で要が言う。

時計を見ると既に12時近くだった。
要との2人の時間はいつもあっという間に過ぎてしまう。

「じ、自分の部屋で寝ます。」
紗奈は慌てて立ち上がり歯を磨きに洗面所に急ぐ。その後を笑いながら要も着いて来て一緒に歯を磨く。

鏡越しに目があって不敵に笑う要が気になり紗奈はドキドキして目が泳いでしまう。

「そんなに構えなくても何にもしないよ。
紗奈が寝るまで側に居させて。」
可笑しそうに笑いながら要は紗奈の部屋の前まで着いて来る。

「要さんも疲れてると思うので早く寝て下さい。」

「じゃあ。俺の部屋で一緒に寝る?」

「そ、そう言う事じゃなくて…。見られてると眠りにくいです…。」

「この前は結構早く寝付いたけど?」
要は楽しそうに笑いながら紗奈の部屋のドアを開け背中を押す。

「お邪魔します。」律儀にそう言って入ってから紗奈をベッドに促し寝かせる。

「3日も離れてたんだ。少しは俺も甘えさせて。紗奈の寝顔を見てると凄く癒されるんだ。」
そう言って紗奈のおでこに軽くキスをして、ベッドの横にあぐらをかいて座り方肘をついて目線を合わせる。

「おやすみ。また明日。」

「おやすみなさい…。」
こんなで要さんは本当に癒されるんだろうか?お子様の私に合わせてくれてるだろうと思うと申し訳なく思う。
要さんの優しさに甘えてるのは私の方だ。

そう思いながら目を閉じる。
優しく髪を撫でてくれる大きな手に安心感を感じながら気付けばいつの間にか寝てしまっていた。

< 157 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop