クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
紗奈はしばらく要の胸に耳を当てて眼を閉じると、なんだかとても安心して癒されて、眠くなってしまい、いつの間にか寝てしまう。

「…あんまり、安心されるのも困るんだけど…。」
自分の自制心との闘いだな…と要はため息を付き、紗奈の前髪を優しく撫ぜて額にキスをする。

それから一週間、


紗奈と籍だけでも先に入れたいと両親に連絡した。

一度会いたいと親父は言った。

見合い相手との一騒動を謝りたいと思っているらしいが、多分紗奈はそんな事は気にもしていないだろう。

入籍に関してもきっと卒業してからの話しだと思っているのかもしれない。


余裕が無い自分に自笑する。

でも、紗奈に会う前の自分に戻りたいとは思わない。

彼女に会うまでの自分は誰も信用せず、恋愛なんかに興味はないと、この先も1人で生きていくんだろうと信じて疑わなかった。

あの頃の自分に言ってあげたい。

1人じゃ人は生きられないと……。
誰かと分かち合い支え合い、時には甘えたり甘えられあり、紗奈に会って俺の全ては報われた。

これから先、何があろうと彼女の手は離さない。

初めてジュエリーショップに行って、
初めて指輪を購入した。
婚約指輪に結婚指輪も。

早く紗奈の驚く顔がみたいと心は速る、
もしかしたらまだ早いと戸惑うかもしれない。

断られる事だってあるかもしれない…。

彼女に関してはいつだって不安で、誰かに奪われやしないかと怖くてこんな感情は今まで知らなかった…。

後少しで、君が待ってる家に着く。

どうか、俺に君を幸せにする権利を下さい。


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