クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
2時限目は北原先生の授業で3階に移動する。
選択科目の為、人数は半分くらいになる。
「私、北原先生の建築のファンなの。」
教室を移動しながら、紗奈は晶にそっと教える。
「へぇー。どんな建物設計するの?」
「住宅設計が主なんだけど、去年の住宅コンペ最優秀賞だったんだよ。」
紗奈は、誰かに話したくてずっと貯めてた思いをやっと開放出来て嬉しさを隠しきれない。
「そうなんだ。後でちょっと調べてみよっと。紗奈は住宅設計がしたいの?」
「北原先生みたいな設計が出来たらなって、凄く憧れる。」
「いいね。それ、目標があって。
私はなんとなく建築学科に入ったからそう言うのなくて、ちょっと羨ましい。」
「晶ちゃんもきっと先生の設計図みたらファンになるよ。」
「ちょっと楽しみ。
急いで行って、出来るだけ前の席に座ろう。」
小走りで駆け込みながら、前に近い席を探す。
「ヤバイ。トイレ寄ってる場合じゃなかった。前の席、かなり埋まってるじゃん。」
真ん中よりも少し前の窓際の席になんとか座る事が出来た。