クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
「授業を始めます。」
要は教科書に沿って淡々と授業をはじまる。
感情も出さず笑いの1つも取らず、つまらない授業だと言われても仕方ないが、
授業数に比べて教える内容は結構多く、
1年目は右往左往し全てを終わる事が出来ず最後、かなりの早足になった。
それを踏まえて、2年目は要点重視で発表は極力少なく、無駄な物を一切省いたこのスタイルに定着した。
今期は教鞭をとって3年目。
少しは余裕ある態度で進めるように心新たにスタートさせる。
少ない発表の機会で要は初めて生徒を見渡す。
窓際のチャラい男子が手を挙げた為に指名する。
と、ふと隣に座る女生徒に目がいく。
えっ!
と、思わず二度見する。
中山紗奈⁉︎
昨日とまったく違う雰囲気に動揺して、
ペンを落としそうになる。
この距離で彼女に気づく自分にも若干驚いたが、昨日の今日で何があった⁉︎