クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
放課後、


研究室で、中山紗奈を待つ。
いや、仕事をこなす。
事務所に提出する日報、1年間の授業日程にフィールドワークの日程調整申込み。

今学期に向けてのゼミ方針、取り組み内容、予算申し立て。
新学期早々やる事は無限にある。

後、四年生に出した小テストの採点もまだ残っている。

本来なら採点は博士課程を専攻する研修生にお願いするが、今年は人数が少なくほとんど教授達が取り合って自分の所には誰も付けてもらえなかった。

事務員に手伝ってもらう事も出来るが、名前や学力を把握する為にも、出来るだけ自分で採点したい。
 
それにしても遅くないか?

五時限が終了して1時間が過ぎている。
夕方5時を過ぎるとまだ、今の時期日が短くて暗くなってしまう。

気付くと彼女の心配をしている自分がいる。

それに、彼女の隣にいたあのチャラい茶髪二人組の事も実は気になっていた。

変にちょっかい出されてるんじゃないか?

あのメガネは自分を守る為にも必要だったんじゃないか?

また要らぬ方向に考えが及び手が止まる。

なぜ彼女の事をこんなに心配しているんだ俺は?
一生徒にでしかない中山紗奈を…。
< 25 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop