クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
いつからだろう。
自分の生きてる世界が作り物だと
虚無な世界だと思うようになったのは。
高校時代、
見知らぬ女子から声をかけられる事が増え、学食を食べてるだけで、
ただ歩いているだけで人だかりなって、
見兼ねた先生に、昼休みは自習室に居なさいと部屋を充てがわれた。
好きでもないのに友達と言う輩も増え、
好きでもない女子を紹介された。
なんとなく断れず付き合ってみた事もあった。
時間が経つと皆、
つまらないと言う。
もっと構って欲しい。アレを買って。
これを着て。あそこに連れてって。
彼女達は結局アクセサリーなんかと同じ様に
俺を見ていただけだろう。
今では顔も名前も思い出せない。
絡みついてくるキツイ香水の臭いだけが、
今でもトラウマになった。