クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
歩きながら白石が松島に話しかける。

「ところで、松島くんはゼミどこにしたの?」

「俺はもちろん白石先生です。
女子多いし、楽しそうだと思って。

そう言えば、紗奈ちゃんはどこのゼミ?」

「私は北原先生のゼミです。」
紗奈は嬉しそうにニコッと笑う。

「えっ、マジで。
かなり忙しいって有名だよ。辞めときなよ。白石先生の方が楽だし楽しいって。」


「編入前から決めてたので、入れてもらえて嬉しいです。」
北原を見て微笑む。

「本人が決めてたんなら仕方ないねー。

大変だけど、やりがえはあるよ。
就職後も役に立つはずだしね。」
白石が紗奈に言う。

「そうなんですね。今から楽しみです。」

ニコニコ話す紗奈を見ながら、白石は考える。
この子は、今どき珍しいくらいピュアな子だ。
ゆるふわの見た目も可愛くて子犬のようで、思わず頭を撫ぜたくなる。
そうかぁ。
要くんの好みのタイプはこんな感じなんだな。 

結構なイケメンなのに顔隠すし、
浮いた話は聞かないし、
いつも淡々としてて、3年一緒にいても未だ心を開いてくれない。

訳ありな感じが気になってつい構ってしまう。
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