クールな准教授は密かに彼女を溺愛する

金曜日の昼休み。

平日は慌ただしく過ぎ、要もバタバタと仕事をこなす日々。

紗奈に小テストを返した時の仕草が可愛かったなと、思い出してはこの1週間を穏便に過ごした。

返す時、あらかじめ紗奈の小テストを最後にしておいた。

「顔と名前を覚えるために順番に呼びますので、小テストをもらった人はそのまま次の授業に行って下さい。」

松島は1番初めに呼ぶことは抜かりなくこなす。
名前を呼ばれ順番に教室を去って行く生徒達。
最後に紗奈を呼ぶと、紗奈が近づいてくる。
「ありがとうございます。」と小さく呟きながら小テストを受け取る。

瞬間、目を大きく見開いて目線が合う。
びっくりした様子で、
それでも慌てて受け取り半分にたたんでカバンに仕舞う。
ペコリと頭を下げて小走りで離れて行く。

その姿がとても可愛いくて愛しいと思ってしまう自分に戸惑いながらも、今までに無く気を引き締めなくてはと自分を叱咤する。
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