クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
「自宅からここまで何分かかるの?」
「1時間くらいです…。」
「そう。じゃあ。この近くに寮があるから、あなたの為に一部屋貸してあげる。
出勤する日はそこを使ってくれればいいわ。
でも、もう1人隔週で通う子が居て、その子と相部屋になるんだけど大丈夫?」
「狭いワンルームだから、初めはその子がシフトに入ってない日を選んで入った方がいいかも。」
「はい。それで構いません。」
「じゃあ。とりあえず週2から初めて慣れたらちょっとずつ増やしていきましょう。」
拍子抜けするほどトントン拍子で話しは進んで、紗奈は若干気後れしてしまう。
源氏名は豊さんの一押しで紗理奈に決まり、衣装の貸し出し手配等、全て滞りなく終えてしまった。
帰り道、芽衣が言う。
「1番始めの日は私が特別に一緒に出てあげるね。」
「ありがとうございます。心強いです。」
「もう友達なんだから、同い年だし敬語禁止ー。」
「…うん。」
「じゃあ。月曜日ね。バイバイ。」
手を振って改札で別れる。
もう後には引けないなぁ、と紗奈は覚悟を決める。