クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
放課後の会合。

はぁーー。と深いため息を付く。

あの後、白井と話している間に彼女は書庫を片付けを終えて、ちゃんと話せないまま「失礼します」去って行った。

今日で丁度書庫の整理は全て終わってしまったし、接点と言えば授業の時しかない。

また、お手伝い券を使うという手もあるが、そう頻繁に彼女を束縛する訳にもいかないだろう。

はぁーー。どうするべきか迷う。

「どうしたの?要くん。
ため息ばっかりじゃない。
悩み事があるなら相談に乗るよ?」

隣の席に座る白石が言う。

「会議中に私語はダメですよ。
白石先生、松井教授が睨んでますよ。」

「僕は、会議よりも要くんの悩みの方が気になるんだよー。」

ごほんっと
松井教授が大きく咳払いをする。

白石は姿勢を正し苦笑いする。

会議の間中、紗奈との事を考える。
しばらく、2人っきりで会わない方がいいに決まっている。
自分の心が限界だ。

でも、松島との事は気になる。気になって仕方がない。

片手で額を抑えながら、紗奈の額に触れた感触を思い出し、要は1人赤面する。

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