クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
「中山さん、今日は仕事はしなくていいので、今から昼寝して下さい。
睡眠不足は万病の元です。
昼休み終了まで30分あるので、このソファで横になって休んで。
5分前に起こしますから安心して。」
そう言って要は立ち上がり、茶色のもこもこしたブランケットとクッションを持って戻ってくる。
「えっ…と。
雑用のお手伝いで来たのに、何もしないでなんて無理です…」
「今日のあなたの仕事は寝る事です。
昼寝は意外と大事ですよ。少しでも寝ると頭がスッキリしますから。」
「はい。ここに頭乗せて、横になって。」
要はそう言って、半ば強引に紗奈を寝かし、ブランケットをかける。
「自分は机に居るので、気にせず寝て下さい。」
そう言って離れて行ってしまう。
窓際のカーテンまで閉めて部屋が若干暗くなる。
最初こそ凄く戸惑ってしまったが、これ以上先生に心配かける訳にもいかない。
紗奈は素直に眼を閉じてみる。
先生がいる部屋で寝れる訳が無いと思っていたのに、物の1分くらいで眠りに入った。
要はしばらく雑用をしながら様子を見ていたが、紗奈が寝たようなのでホッと安心する。
きっと、どこででも寝れるくらい疲れていたんだろうと思う。
誰かが来て起こしてしまってはいけないと思い立ち、ドアに向かい外出中のプレートをノブに付けて鍵をそっとかける。
そっと寝顔を覗く。
要は、顔にかかった髪をそっと耳にかけてあげる。
やっぱり薄ら目の下にクマがある。
化粧で上手く隠しているようだが、要の洞察力には敵わない。
紗奈のあどけない寝顔にしばらく見入ってしまう。