クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
コンコンコン。

緊張しながらドアを叩く。

「はい。」と返事がしたかと思うと、中からドアが開く。
「どうぞ。入って下さい。」
要がにこやかに中に招き入れる。

「失礼します。」
紗奈はペコリと軽く頭を下げて中に入る。

「今、お茶を淹れますからソファに座って下さい。」

「あっ、先生、私がやります。」
紗奈はお弁当を2つ机に置いて、急いで要の近くに行く。

「気を遣わないで。」

「先生こそです。」
そんなやり取りすら要は愛しく思い、構いたくなってしまう。

結局、2人で協力してお茶を用意してソファに座る。

「これ、お弁当です。お口に合うといいんですけど…」

「ありがとうございます。
誰かの手作りなんて久しぶりです。」
嬉しそうに要が言うので、紗奈はホッとする。

「あの後、出過ぎた真似をしたかもと心配だったんです。喜んでもらえて嬉しいです。」
歯に噛みながら笑う紗奈が可愛い。

「早速食べていいですか?」

「どうぞ。先生の嫌いな物とか無いといいんですけど…。」

「好き嫌いは特にありませんから。」
そう言いながら、お弁当の蓋を大事そうに開けて要は目を細める。
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