クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
「わぁー。美味しそうです。楽しみです。」
 
要は気持ちを整え、お弁当を綺麗に食べ終えてから、プリンも堪能して、
2人で「ご馳走様でした」と手を合わせる。



「今日はちゃんと、お仕事させて下さい。
何の為に毎日来てるか分かりませんから。」

そう言って紗奈は、学校のパンフレットを封筒に入れる作業をしようとする。

「そんなに急がなくても大丈夫ですよ?
少しのんびり横になってくれてもかまいません。」

「ありがとうございます。でも、やらせて下さい。」

「分かりました。
じゃあ。一緒にやりましょう。」

紗奈がパンフレットと手紙を一緒に合わせたら、それを要が封筒に入れて封をする。

「何冊あるんですか?」

「100冊くらいかなぁ」

「今日中には終わりませんよね。
放課後もやれますよ。」

「…バイトは毎日では無いんですか?」
どこまで聞いていいのか迷いながらも気になってしょうがない。 

「隔週で働いてます。
どうしても夜遅くなってしまうので、ちょっと睡眠不足ですが…。」
 
「あまり、頑張り過ぎないようにして下さいね。この先、コンペの作業で遅くなる日も出て来ると思います。
休める時に休んで下さい。」

「この仕事は本当に急ぎじゃないので、明日また昼休みにやりましょう。」

「はい。分かりました。」


「…バイト何時に終わるんですか?」

「えっと12時近くには…。」

要は驚き、心配になる。
「終電は終わってますよね?
どうやって帰るんですか⁉︎」
真剣な顔で聞かれ紗奈は困る。
先生には、ラウンジで働いてるなんて口が裂けても言えない。

「バイト先に寮があって、空いてる部屋を仕事の時は借りられるんです。」

「あっ、これでコンペで遅くなっても大丈夫ですよ。」
紗奈はこれ以上要を心配させないようワザと明るい声で言う。

「夜遅に出歩くのは危なく無いですか?」

「大丈夫です。仕事場から5分とかからですから。」
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