クールな准教授は密かに彼女を溺愛する

次の日も、その次の日もお弁当を作って持って行き、研究室で2人一緒にお昼を食べた。


要は金曜日から京都へ出張だと言う。

「お土産何がいいですか?」

「えっ。気にしないで下さい。仕事なんですし。」
紗奈はやんわり断る。

「お弁当も作ってもらいましたし、お礼がしたいのですが。」

「プリンとかデザートいろいろ頂きましたよ。」
今日も要は紗奈の為、食後にシュークリームを用意してくれた。

「私の方がもらってばかりで申し訳ないです…。」

「酒井さんから、ゼミ生には豚まんを買って来てと言われてます。」

さすが先輩抜かりないなと感心する。

「中山さんには内緒で何か買ってきます。」

「…ありがとうございます。」

頼まれた雑用は今日で終わり、次、2人だけで会えるのはいつになるのだろうと紗奈は寂しく思う。

「月曜の夕方には戻る予定です。
火曜の昼休みまた、研究室に来てもらっていいですか?」

「はい。お弁当作りましょうか?」

「これ以上、お願いするのは悪いので大丈夫です。」

紗奈はお弁当を断られて軽くショックを受ける。
「その代わり、夕食を一緒に食べに行きませんか。」

先生と2人で外食⁉︎

紗奈はびっくりして思わず「えっ!!」と言ってしまう。

「何が予定でもありますか?」

「いえ、特には…。でもいいんでしょうか?
私だけだと変な噂が立ちませんか?
先生の迷惑になるといけませんから。」
心配になって言うと、

「あなたを連れて行きたいなと思う洋食屋さんがあるんです。気にせず食べれる場所なのでぜひ。」

珍しく、要が強く言うので断れなくなって、「はい。」と返事をした。
< 82 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop