クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
「……いいんですか?…ヒック…入れて頂けるんですか?
ありがとうございます。」
彼女は立ち上がって深く頭を下げる。

ウッ…ウッ…
さっきより激しく泣き出してしまう。

要は動揺を隠し切れなくなる。

「だ、大丈夫だから、
座って、ココア飲んで。一旦落ち着こう。」
どうすれば泣き止むのか…
要は途方に暮れながら、彼女の隣に座り
軽く背中を撫ぜてみる。

華奢な線の細い身体は少しでも力を入れたら折れそうだと、心配になる。

そうか。きっと、
お父さんが亡くなってから強くあろうとして、この子は上手く泣けなかったのかもしれない。

「思う存分泣いて下さい。
今日までよく頑張りましたね。

大丈夫です。いつまででも待ちますから。」
< 9 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop