クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
行きたくないと何度断っても、すでにほろ酔いの教授は聞き耳を持たず、仕方なく付き添う羽目になってしまった。

こんな場所で時間を無駄にしてる場合じゃないのにと頭を抱えながら店に入る。

入るとオーナーらしい女性が「今晩は。」と頭を下げながら迎え入れる。
バーテンダーのいるカウンターを抜け、席に着く。
「自分はすぐに帰りますので、お酒は入らないです。」
席に着く早々、顔を出した女性に言う。

席から立ち上がり、女性を教授の隣に座ってもらい、要はすぐに出られる様、少し離れた隅の方に座る。

ふと目線を上げた時、

不意に1人の女性に目が止まる。

「えっ⁉︎」
一瞬見間違えかと思う。
紗奈に似てる⁉︎

彼女がこんな店にいる訳が無い。

二度見する。
普段の彼女とは全く違うお化粧で、要は目を凝らす。

彼女の隣に座る客が、今にも彼女に触れようとしている。

瞬間、要は衝動的に立ち上がる。
< 90 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop