クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
「何で⁉︎…こんな所に先生が…。」
紗奈が呟く様に言う。
「何で⁉︎何で君がこんな所に居るんだ!!。」
怒ってる。先生が…いつも冷静な先生が。
どうしよう。どうしよう…。
紗奈は泣きそうになる。
要はふーっと息を吐き、着ている背広を脱いで紗奈にかける。
「帰るから、着替えてきて。」
要は感情を殺す様に低い声で言う。
「は…い…。」
お店に戻るとバーテンダーとオーナーが心配そうに入口付近で待っていた。
「大丈夫⁉︎知り合いなんだって?」
オーナーが聞いてくる。
「はい。いつもお世話になっている大学の先生なんです…。今日はこのまま帰ってもいいですか?」
泣きそうな顔で紗奈が言う。
「分かったわ。気にせず帰りなさい。」
「ありがとうございます。着替えてきます。」