あなた私の夫と不倫してますよね?
そのまま、二人目も回収する。
「―――あっそ。
なら、その慰謝料100万払えばいいんでしょ?」
そう言ったのは、二番目のターゲットの、細木南さん。
この人の職場の近くの喫茶店へと呼び出し、
先程の、近藤日和さんの時と同じように、夫楓との不倫を証拠の写真と共に突き付けるけど。
態度は、近藤日和さんとは全然違って、
細木南さんは、膝を組み、そして、腕迄組んでこちらを見下すように見て来る。
その態度や話し方、本当に私が大嫌いだった、お局ソックリ!
「にしても、中村さんって、もっと上手く遊んでんのかと思ったけど。
早速こうやって奥さんにバレて、つまんない人」
そう、楓の事迄貶されて、本当に腹が立つ。
「まあ、その慰謝料でしょ?
今、手持ちもないし、銀行もこの時間空いてないから。
あ、口座番号教えてくれない?
今、ネットからあなたの口座に振り込むから」
そう言って、こっちの返事待たずに、スマホを手に持っている。
急に口座番号とか言われても…。
キャッシュカード見れば分かるか?
そう思い、鞄に手を入れ、財布を取り出そうとした時。
お腹が痛くなった。
実は、今朝から時々痛いな、と思っていたけど、
今は耐えられない程痛い。
「痛いっ…」
そう言って、お腹を押さえて俯いてしまう。
「ちょっと、大丈夫?
今、救急車呼ぶから待ってなさい」
遠退く意識の中、その細木南さんの声が聞こえた。