あなた私の夫と不倫してますよね?
「そう言うけど、楓昔はすごく遊んでたんでしょ?
お客さんに手を出したりも」


「けど、それは桃子ちゃんと出会う前だよ?
俺、桃子ちゃんと出会ってから、本当に遊んでないのに」


「とにかく、そんな事はいいから!
まずは、この人から」


そう言って、私は一枚の紙を手に取った。


その紙に書かれているのは。


近藤日和(こんどうひより)。


歳は30歳くらい?


私立Y女子高等学校で、英語の教諭をしている。


「ねぇ、この人、どの辺りに住んでるの?
この人の勤める、学校辺りで待ち伏せする?」


その女性達の携帯番号などが分からないから、
接触は、そうやって古典的な待ち伏せとかになってしまう。



「学校の近くは、まずくない?
あ、そういえば近藤さん、月曜日と金曜日、仕事終わりにM駅のAっていうフィットネスジムに通ってるらしいよ?」


そう言われ、今日はその月曜日。


楓も今日は定休日なので、自宅に居て。


そして、ギャンブルでの借金からの、今の話し合いになっている。



「今は、15時過ぎか。
今からそのジムの近くに行けば、その人に会えるね?」


「え、そうだけど…」


楓は歯切れが悪いけど、もう私に何かを言い返しては来ない。


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