恋におちたとき
 上げたら次にされることは分かっている。期待に息を呑み込んで、そっと膝を折ってお尻を上げた。

「うん。いい眺めだ」

 満足そうな声が聞こえ、ショーツが下ろされる。ガーターベルトにストッキングだけの下半身が晒された。

「とても綺麗で、やらしいお尻」

 その声だけで、とろりと蜜が溢れる感触がした。ふっと、息がお尻にかかり、やわやわと唇で肌をなぞられる。時々気まぐれに吸われ、軽く歯をあてられ、その度に体がビクつき嬌声が漏れる。

「あっ、あんっ」

 蜜をたらし、侵入を待つように腟口がひくついてゆく。その先にある敏感な突起はじんじんと疼き、直接的な刺激を与えられるのを待っていた。

「腰が、動いている」
「……お願い。触って」

 鼻にかかった甘ったるい声。毎度思うのだけれど、自分が出しているとは思えない。言った後に一気に恥ずかしくなり、ベッドに顔を埋める。その結果、余計に腰を突き出すことになり、これ以上はないおねだりになってしまった。

「俺も、触りたい」

 そんな言葉と共に、湿って弾力があって温かい感触のものが膣口にあてられた。

「んっ、ぁー!」

 舌の先端で膣をなぞられ、蜜をすすられる。それに気を取られていると、指で突起をいじられた。その刺激に背中がしなる。

「や、イッちゃう、イッちゃうの」
「うん。いいよ。イッて」

 左右に弾くように突起を嬲られて、私の快感は一気にショートした。高い声で悲鳴を上げて大きく痙攣すると、次に力が抜けてだらりとベッドに手足を伸ばす。余韻でビクつく私の背中にキスを一つ落とすと、彼はブラジャーとガーターベルトを外し、私を仰向けにさせた。そうして白いストッキングだけ残して裸になった私をギュッと抱きしめると、目尻にたまった涙を吸い取る。

「……肌、気持ちいいね」

 ようやく触れ合わせた彼の体に安心して、くふんと鼻を鳴らした。

「うん」

 吐息のような返事をすると、彼が耳の後ろをつっと舐めた。

「あっ」

 一回イッた体は、些細な刺激でもすぐに快楽に拾い上げる。舐めるのが自分の性癖と以前から開き直る彼は、今度は私の表側を堪能し始めた。

< 15 / 16 >

この作品をシェア

pagetop