恋におちたとき
 背骨に沿って腰まで降りたら、彼女を表に返してまた首元から鎖骨、脇、乳房へ。飽きることなく丹念に舌でなぞる。時々思い出した様に強く吸って、自分の証を残していって。
 乳房を寄せる様に両手で包むと、乳輪に沿って舌を動かす。てのひらにしっとりと吸い付く肌の感触が心地好い。舌の動きにビクビク反応する彼女の様が楽しい。わざと触れないでいるのに、舌をゆっくりと何周かさせると乳輪が張り詰め、乳首がぷくっと勃ってくる。
 その体の変化を愉しんでいると、自分のつむじに視線を感じた。
 顔を上げると、潤んだ瞳で俺を見つめる彼女と目が合う。

「……ね?」

 たった一音だけの短いお願い。なのになぜこんなにも心を騒つかす力を持っているんだろう。
 俺は彼女の目を見つめたまま、舌を尖らせて乳首を突く。まずは左側。その間、右の乳房は手で丁寧に揉み込み、乳首は指で摘んで刺激を与えることを忘れない。

「んっ!」

 息を呑む彼女。まるで電流が流れた様にびくりとする。
 グミのように弾力のある乳首の感触を舌先だけで楽しんでから、今度は唇で挟み込んだ。舌先で突くのは止めずに、唇を左右に擦り合わせる動作を追加する。

「やん! あ、や……!」

 彼女のため息が嬌声へと変わっていく。もっと、気持ち良くなってほしい。もっと我を忘れて快楽に溺れて欲しい。俺の手で、舌で、そして性器でもっと善がって。
 まるで祈る様にそう思いながら、丹念に胸を愛撫した。彼女の脚がじれったそうに擦り合わされるが、あえて気が付かない振りをして、下乳から腹部へとゆっくり唇でなぞってゆく。そして彼女の片脚をゆっくりと持ち上げると、膝頭から太腿にかけてをやわやわと食んだ。
 彼女の喘ぐ声が高く、細く、すすり泣くように断続的に続いていく。
 もっとよく見えるようにと、彼女の両膝を曲げてから股間を広げた。

「ねえ、もう染み出ちゃっているね」

 ぐっしょりと濡れて、用をなさなくなったショーツを見て囁いた。

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