恋におちたとき
 ぷるんとした弾力のあるそれを舌全体を使って包み込み、扱き上げ、カタチに沿って溝をほじり、堪能する。ひくつく膣も可愛がり、最終的に三本まで指を入れ、水音とともに出し入れをした。
 ふるふると彼女の太腿が小刻みに揺れ、最後が近いのを感じ取る。今度ははぐらかさず、クリトリスをちゅっと吸い上げると、彼女が背中を大きく反らして達した。
 体がビクビクと痙攣し、そのうちくたりと力が抜けて、枕に顔を埋める。

「……気持ち、良かった」
「まだ終わりじゃないよ」

 思わず突っ込むと、彼女がこちらを向いて気の抜けた表情でへらっと笑う。
 そんな彼女の目尻にたまった涙を舐め取ると、確認した。

「いい?」
「うん。来て」

 手早くゴムをつけて、彼女の中にゆっくりと入り込む。
 先を入れただけで持っていかれそうな快楽に包まれ、全身が粟立つ。やはり彼女には敵わない。愛おしさが込み上げて、全部入った途端、抱きしめた。彼女の腕が俺の背中に回されて、同じように抱きしめ返される。

「……幸せ」
「なにそれ、反則」

 噛み付くように口付ける。舌を入れて絡めとる。本能のままに腰は動くけど、少しでも彼女に気持ち良くなってほしいから、セーブする。
 俺の覚えた彼女の好いところを攻め立てると、彼女の中がうねって喜びを伝える。お互いに快楽を分け合って、幸せが循環した。うわ言みたいに繰り返し名前を呼ばれて、その喜びも全て快楽に変換されて、少しずつ、高みに昇る。

「あ、あ、もう……、もうっ!」

 彼女の中が大きく蠢いて、俺のものを扱き上げた。

「くっ……!」

 膨れ上がった欲望が、放出される。腰の動きが自分の中の欲を全て吐き出して、ようやく止まった。
 しばし訪れる放心の時間。
 そして、

「へへっ」

 照れたような笑い声が聞こえて、ぎゅっと抱きしめられた。肩に彼女のおでこがあたって、こすられる。そんな彼女を抱きしめ返して、こめかみに口付ける。

 普段はどちらかというとキリッとした印象の彼女が、こうして甘えてくるのがたまらない。愛おしさが増して、また体のラインをなぞりたくなる。けれど動いた拍子に自分のモノが抜ける気配がしたので、後始末のためベッドを離れる。

< 9 / 16 >

この作品をシェア

pagetop