恋がはじまる日

出会い



 ジリリリリリ……カチッ。


 朝七時ちょうど。

 私は目覚まし時計を止め、ゆっくりと身体を起こした。

 睡眠の質バッチリ、スッキリな目覚め。よく寝た~、と大きく伸びを一つ。

 ベッドから降り部屋の南側にある小窓を開けると、優しく穏やかな日差しと共に薄ピンク色の桜の花びらが、一気に部屋に舞い込んできた。


「きれい…」


 外は桜吹雪。春の暖かな陽気と爽やかな風が頬をなでた。


「今日もいい日になりそう!」


 どこからともなくそんな確信が生まれて、私の心を温かく満たす。

 皺ひとつない制服に身を包み、軽やかな足取りで学校へ向かう私…。



 などとうまくいくはずもなく…。

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