恋がはじまる日
自分でも驚くくらいの大きな声が出てしまい、お昼休みでゆったりしているクラスメイト達がこちらを振り返る。
慌てて手で口を覆って、ひとまず深呼吸。
「先輩って、もしかして、」
そうでないと願いながら、藤宮の次の言葉を待つ。
しかしその願いも空しく、出てきた名前は、俺の要注意男子リストの一人だった。
「菅原、とか言ったか?」
「!」
やっぱり!サッカー部の先輩だ!
居てもたってもいられなくなった俺は、気付けば駆け出していた。屋上目指して走る走る。
陸上部のエース(自称)の実力を見せてやるぜ、と言わんばかりの猛スピードであっという間に屋上に到着した。
弾んだ息を整えながら屋上の扉の前まで行き、それを小さく開けてしゃがみ込みながら外を覗き見る。
ちょうど美音と先輩の横顔が見えた。
しかし距離があるせいか、会話は聞こえそうにない。
引退した先輩がなんの用だろ。夏休みもよく一緒に勉強してたみたいだし。美音、もしかして先輩のことが好きとか?
もどかしく思いながらも、二人の様子を窺う。
「はー、それにしても今日の美音のポニテ、超可愛くね?」
「そうだな」
「うわっ!」
慌てて手で口を覆って、ひとまず深呼吸。
「先輩って、もしかして、」
そうでないと願いながら、藤宮の次の言葉を待つ。
しかしその願いも空しく、出てきた名前は、俺の要注意男子リストの一人だった。
「菅原、とか言ったか?」
「!」
やっぱり!サッカー部の先輩だ!
居てもたってもいられなくなった俺は、気付けば駆け出していた。屋上目指して走る走る。
陸上部のエース(自称)の実力を見せてやるぜ、と言わんばかりの猛スピードであっという間に屋上に到着した。
弾んだ息を整えながら屋上の扉の前まで行き、それを小さく開けてしゃがみ込みながら外を覗き見る。
ちょうど美音と先輩の横顔が見えた。
しかし距離があるせいか、会話は聞こえそうにない。
引退した先輩がなんの用だろ。夏休みもよく一緒に勉強してたみたいだし。美音、もしかして先輩のことが好きとか?
もどかしく思いながらも、二人の様子を窺う。
「はー、それにしても今日の美音のポニテ、超可愛くね?」
「そうだな」
「うわっ!」