【完結】私の夫は、絶賛不倫中
「……子供作ることも考えてるけど、今は旦那も仕事で忙しいから、なかなか時間なくて」
子供が出来ると、環境はまた変化するだろうし。
「そうなの? でも柚衣の子供、私も見たいから、もし赤ちゃん出来たらちゃんと教えてよ?」
「それはもちろん。 繭子は、親友だもん」
そう、繭子は私の親友。大好きな親友。
そんな繭子が、私のことを裏切る訳ない。
この時の私はそう思いたかっただけなのかもしれないーーー。
翌日迎えた結婚記念日当日。
朝から部屋の掃除をしていると、突然インターホンが鳴る。
モニターを確認すると、どうやら宅配便のようだった。
「垣原(かきはら)さーん、お届けものです」
「はーい」
玄関を開けると、宅配便のお兄さんから花束を渡された。
「……え?」
は、花束……?
「旦那様の、垣原翼さんからのお届け物になります」
「夫から?」
まさか、この花束……。結婚記念日だから用意してくれたの?
「日付け指定での宅配になりますので、こちらに受け取りのサインをお願いします」
「あ、はい」
花束を玄関にあるボックスに置きサインをする。