【完結】私の夫は、絶賛不倫中


「ありがとうございました」

「ご苦労様でした」

 花束を手にリビングに戻った私は、すぐに夫である翼に電話をかけた。

「もしもし、柚衣?」

「あ、翼?忙しいのに、ごめんね」

「いや、どうした?」

「翼、結婚記念日の花束今届いた。……ありがとう、すごく嬉しい」

 私がそう言うと、翼は「やっぱり?そろそろ届く頃だと思ったよ。 喜んでくれた?」と聞いてくる。

「うん、ありがとうね。すごく嬉しかった」

「柚衣、せっかくの結婚記念日に一緒に過ごせなくて本当にごめんな」

「ううん。……こうやって花束もらえただけで、充分だよ」

 翼は優しいから、その気持ちだけで充分翼からの愛が伝わってくる。
 愛されてるなって、そう思ってる。

「帰ったら改めて、お祝いしよう」

「……うん」

 私は翼と結婚して、本当に良かった。翼とだから、こうして幸せになれるの。
 本当にありがとうね、翼。愛してるよ。

「ごめん、もう行かないと。 後でまた連絡するから」

「うん。……仕事、頑張ってね」

「ありがとう。 愛してるよ、柚衣」

「私もよ」

 翼は、私の全て……。翼だけが、私の宝物。
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