【完結】私の夫は、絶賛不倫中


 二、三時間くらいショッピングモールに滞在し、気晴らしのショッピングを終えた私は、そこでとんでもない光景を目にしたーーー。


「……え?」

 あれ……?あれ、って……。

「翼……?」

 その姿は、よく知っている夫の翼に見える。背格好や今日着ている服、髪型、どう見ても翼に見える。
 いや、あれはどう見ても翼にしか見えない。

「え……?」

 でも翼の隣にいる人は、高校時代の友人と言っていた男性ではなく、紛れもなく女性だった。

「え……。誰……?」

 あの女の人……誰? あの人が友人?ううん、違う……。
 だって今日は、男性と友人と聞いていた。女性なんかじゃなかった……。

 まさか……浮気? 翼は、浮気しているの?
 色んな考えが頭の中を駆けめぐって、思考回路がおかしくなりそうだった。

「……え?」

 そして翼の隣にいるその女性は……私のよく知っている人だったのだ。

「ウソッ……」

 ウソでしょ……。あの女性は……。

「繭、子……?」

 あの女性は、間違いなく繭子だった。
 
「なんで……」

 どうして……。どうして繭子が、翼と一緒にいるの……?
 ねぇ、どうして……。
< 22 / 39 >

この作品をシェア

pagetop