【完結】私の夫は、絶賛不倫中
○裏切りの末路
だけど私は、翼に不倫のことを確かめる勇気がなかった。
翼がもし私との離婚を考えてるとして、それがもし本当だとして……。そう思うと怖くて、何も聞けなかった。
もちろん繭子にも、親友という関係が壊れるのが怖くて、何も聞けずにいた。
私はただ臆病者なんだと思う。自分がこれ以上傷付きたくないだけ。だから二人に何もその関係を問いただすことが出来ないのかも。
早く聞いてスッキリした方が、絶対にいいと思う。翼が離婚することを望んでるなら、そうした方がいいのかもしれない。
でももしかしたら、繭子との不倫を辞めてくれるのかもしれない。……そんな風にどこか思ってしまうのも、また事実だった。
翼の不倫のことさえなければ、私は幸せな妻だった。 翼とこれからも夫婦仲良くやっていけると、そう思っていたのに。
翼と繭子が、私の幸せを壊した。 その事実だけは決して変わらないのに……。
私まだどこかで、翼のことを信じてしまっているのかもしれない。 翼はそんなことをする人なんかじゃない、翼は私を裏切ったりなんかしないって。
そう思いたいだけなのかも、しれない。
裏切られている分かってからも、翼は私にすごく優しかった。