【完結】私の夫は、絶賛不倫中
「繭子は?結婚とか、どうなの?」
繭子にも彼氏がいるみたいな話を聞いたけど、彼氏のことについては何も教えてくれないんだよね。
「どうって?」
「彼氏とだよ。付き合ってもう一年くらいだっけ?」
「あ、そっか。もうそれくらいになるね」
繭子の彼氏、どんな人なんだろ?気になる〜。
「繭子は彼氏と結婚とか考えてないの?」
「まあ考えてない訳、じゃないんだけどね……」
繭子のその表情は、なんだか明るい感じではなさそうだった。
「……繭子、彼氏と何かあった?」
なんとなく、そんな気がするような……。
「んー……。実はさ、柚衣には言ってなかったんだけどさ……」
繭子は私に、何か言っていないことがあるようだ。
「……ん?」
「私の彼氏、実は……」
繭子が話し始めたその時、私たちの注文したメニューがテーブルに並べられる。
「お、来た来た」
「美味しそうだね〜」
いいニオイが漂う店内は、お昼時だからか先程よりも混雑し始める。
「じゃあ食べよっか」
「そうだね。 いただきます」
「いただきます」
熱々の料理をフーフしてから口に運ぶ。