黒い龍は小さな華を溺愛する。
噂のひと
これが夢だったらいいのにって朝起きたときに思ったけど、スマホには相羽くんからの返信はなく現実だったんだと思い知らされる。
昨日の事は思い出すだけで身震いするし、相羽くんに会うのも怖い。
でも……相羽くんと付き合ってからは強くなろうって心に決めたんだ。
うん、大丈夫。
そう思ったのに学校に着くと痛いほどの視線を浴びた。
私の方を見てひそひそと話している女子たち、
指を差して笑ってくる男子もいた。
この感じわかる……。
みんなの視線が怖いと感じていたあの時……。
いじめにあっていた中学の頃みたいだ。
だからすごく嫌な予感がした。
上靴に履き替えていると「宇崎さん」と後ろから声を掛けられた。