黒い龍は小さな華を溺愛する。


「役目?そんな難しいことじゃねーから。ただ俺のそばにいればいいだけ」


「常盤くんのそばに……」


「その代わりに俺もあんたを守るから」


「守る?」


「クラスのやつとかさっきの相羽?ってやつ、うぜーだろ?見てりゃわかるし。俺も嫌いなんだよ、よく知りもしないくせにただぎゃーぎゃー騒いでる奴ら」


常盤くんがいてくれたらすごく心強い……。


どうしよう、甘えてもいいんだろうか。



「でも……絵里沙ちゃんとかの方が可愛いしお似合いじゃ……」


「絵里沙?」


「はい、よく常盤くんに話しかけてる……」


少し考え込んで思い出したかのように「あー」と言っていた。

あんなに魅力的な子なのに、絵里沙ちゃんのこと忘れてたの……?


「うるせー女はいらねー。沙羅はそういうタイプじゃねーし、一緒にいて楽だから」

< 103 / 140 >

この作品をシェア

pagetop