黒い龍は小さな華を溺愛する。
「えっ!?宇崎さんガチで付き合ってんの!?」
吉住くんがそう聞くので頷くと、さらにみんなが驚いた。
恥ずかしいけどいつかバレることだし……。
またみんなに非難されるのかと思いきや、祝福の声が上がった。
「お似合いじゃんー!おめでとう!」
「どっちから告ったの!?」
「沙羅って呼ばれてるの!?てか私も呼んでいい!?」
質問攻めに困っていると
「わりーけど俺ら用事あるから」
と、常盤くんが私の手を引っ張って歩き出した。
その強引さに戸惑うけどドキドキする。
手が温かい……。
私は緊張して手汗かいちゃって恥ずかしい。
教室を出る時、扉付近にいた絵里沙ちゃんと目が合った。
怪訝な様子で私を見ている。
いつも一緒にいる数人の女子もこちらを睨んでいた。
まるで〝絵里沙の方が常盤くんとお似合いだし〟と言わんばかりに。