黒い龍は小さな華を溺愛する。
「気が変わったんだよ」
「へぇー、いやびっくりだわ。宇崎さんってマジですげーね!?」
そう言われてもどう返していいか……。
紫藤くんには〝フリ〟だってこと言わないのかな。
あとで言うんだろうか。
「でもこれでうぜー女も離れてくだろ、宇崎さんなら文句ねえだろうし」
「紫藤くん、買い被りすぎだよ……」
「んなことねーから!自分に自信持ちな?また髪のケアもしてあげるよ」
そう言って私の髪を触ると、常盤くんが私の腕を引っ張って紫藤くんから離した。
「そういうのはもうしなくていい」
「は!?なにマジになっちゃってんのー!夕晴のこういうとこ見れんのレアだな!?おもしれー!」
紫藤くんが楽しそうに笑ってるけど、常盤くんはなんだかとても不機嫌そうで。