黒い龍は小さな華を溺愛する。


「ふふっ、私が常盤くんにいじめられてると思ったんじゃない?」


「おいやめろって!いつも飯食わせてやってんだろっ」


ミケが常盤くんのワイシャツを爪で引っ掻いてて、それを辞めさせようしている。

慌ててる常盤くんって初めて見た。


いつも大人っぽいって思ってたけど、こうやって見ると普通の男子校生なんだな……。


そんな常盤くんを見て笑っていると「なに笑ってんだよ」と言われた。


「2人とも可愛いなって思って」


すると私の顎を片手で掴んだ常盤くんが


「可愛いって言うな」


と、つぶやいて顔を近づけた。


常盤くんの香水が香ったと思った瞬間。


口に柔らかいものが当たりハッとする。


今……キスされたの!?


固まってるとニヤリと笑われた。


「あんたの方がよっぽど可愛い」


「へ!?え!?あのっ今のっ!」


「付き合ってればするもんだろ?」


「だ、だけど!」


フリ、なんじゃないの!?

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