黒い龍は小さな華を溺愛する。
「今日来てた男の客、みんな沙羅のこと見てたな」
「え、気のせいじゃない!?」
ちょっと視線は感じていたけど私じゃないと思ってた。
「見てた奴らにガン飛ばしてやったわ」
「ダメだよっ勘違いかもしれないし!」
「勘違いじゃねーし。だから厨房の仕事させてたんだよ」
「そんなっ……」
横を見ると、間近で見つめられていたので思わず顔を背けた。
抱き寄せる力が強い……。
こんな時、私はなんて言ったらいいんだろう。
その時ふと視線を感じた。
暗かったからよく見えないけど、近くの建物からこっちを見てる人がいる。
え……誰!?
目を凝らしてみると、その人は立ち去ってしまった。
もしかしたら例のストーカーだったりして!?