黒い龍は小さな華を溺愛する。
母は私の事をずっと醜いと言っていたのに。
だから笑われないように前髪で隠せって言っていたのに。
〝可愛い〟なんて言われるはずないじゃない……。
『あんたの方がよっぽど可愛い』
この前常盤くんに言われたことを思い出した。
気を遣って言ってくれてたんだろうな……
ドキドキしちゃってた自分が恥ずかしいし、何を期待してたの?
いつの間にか涙が溢れていた。
私、本当の馬鹿だよね。
この晩、枕に顔を埋めて声が漏れないように泣いた。