俺様外科医は初恋妻に一途な愛を貫く～ドＳな旦那様の甘やかし政略結婚～

ふたりの馴れ初めを聞き、昔私がふたりを見かけたときは、すでに交際が始まって五年以上経っていたのだと知る。

「ものすごく純愛で素敵ですね」

美桜さんははにかむ。

「でもずっと光一さんとの結婚は諦めていたんです。彼は大病院の院長の長男だし、庶民の私とは釣り合わないって。彼は一度も口にしなかったけど、親が決めた結婚相手がいるのだと噂を聞いたこともありますし」

それは私のことだろうか。

「もし彼がその女性と結婚しても、おめでとうってお祝いするつもりだったんです。私は看護師として彼のそばにいられるだけで幸せだと思っていたから……。なのに今こうして彼と暮らせているなんて、本当に夢のようです」

幸せそうな美桜さんの姿を見ているだけで、胸がいっぱいになる。

「夢なんかじゃないです。ふたりは運命の人だったんです」

結ばれるべくして結ばれたのだ。

光一さんが彼女を好きになったのがよくわかる。

こんなに一途で愛情深い女性はほかにはいない。