俺様外科医は初恋妻に一途な愛を貫く~ドSな旦那様の甘やかし政略結婚~
隆成さんは私をからかう気満々なのだろう。恥ずかしがれば彼を喜ばせるだけだと、あえて素っ気なく答えた。
「勝手に自慰でもしてろって?」
「じっ……、なに言ってっ」
「自慰くらいで真っ赤になるなよ」
「何度も言わないでください!」
うろたえる私を見て、隆成さんは楽しそうに笑う。
結局彼の思惑通りになったのが悔しかった。
「千里はウブだな。兄さんだけを好きだったから、なにも知らないままこの年になったのか」
「ばかにしないでください」
たしかに私は性的な話題にすら免疫がない。隆成さんにしてみれば、未熟な反応がおもしろいのだろう。
「ばかになんかしていない。ずっと好きな女がまっさらで最高にうれしいと言っているんだ」
ストレートな言葉をかけられ、私は勢いよく立ち上がる。
「……先に寝ます」
「ああ、おやすみ。千里。愛してるよ」
慈しむような眼差しから、逃げるようにその場を去った。
……隆成さんは悪い男だ。
注ぐ視線、紡ぐ言葉のすべてで私の心を揺さぶって、もてあそぶ。
手は出されなくても、こんなにも意識させられる。
でもそれを絶対に認めたくはなかった。
「勝手に自慰でもしてろって?」
「じっ……、なに言ってっ」
「自慰くらいで真っ赤になるなよ」
「何度も言わないでください!」
うろたえる私を見て、隆成さんは楽しそうに笑う。
結局彼の思惑通りになったのが悔しかった。
「千里はウブだな。兄さんだけを好きだったから、なにも知らないままこの年になったのか」
「ばかにしないでください」
たしかに私は性的な話題にすら免疫がない。隆成さんにしてみれば、未熟な反応がおもしろいのだろう。
「ばかになんかしていない。ずっと好きな女がまっさらで最高にうれしいと言っているんだ」
ストレートな言葉をかけられ、私は勢いよく立ち上がる。
「……先に寝ます」
「ああ、おやすみ。千里。愛してるよ」
慈しむような眼差しから、逃げるようにその場を去った。
……隆成さんは悪い男だ。
注ぐ視線、紡ぐ言葉のすべてで私の心を揺さぶって、もてあそぶ。
手は出されなくても、こんなにも意識させられる。
でもそれを絶対に認めたくはなかった。