俺様外科医は初恋妻に一途な愛を貫く～ドＳな旦那様の甘やかし政略結婚～

隆成さんは日本の医科大学を卒業し、医師免許を取得後に渡米、現地で臨床研修を経てアメリカの医師免許を取得したそうだ。

私は隆成さんが大の苦手……というか、嫌いと言ってしまってもいいくらい。

正直、隆成さんがアメリカに渡り、ほっとしていた。

隆成さんは私が光一さんを好きなのを唯一知っている。

それもかかわりたくない理由のひとつだった。

「あなたと未来の旦那さまの名前と生年月日を教えてもらえるかしら」

占い師は紙とペンを差し出した。

私が自分と光一さんの名前と生年月日を書き込むと、彼女はそれに目を通し、水晶玉に手をかざす。

実はこんなふうに占ってもらうのは初めてだった。

なにを言われるのかそわそわしていると、占い師はゆっくりと首をかしげる。

「おかしいわね。たしかに明日、あなたは婚約するけれど、お相手はこの人ではないわよ？」

「えっ？」

鑑定の結果に、思わず耳を疑った。

「ほかに心当たりの男性はいないのかしら？」

「いるわけありません。相手が彼じゃないなんて、そんなはずはありません」