俺様外科医は初恋妻に一途な愛を貫く~ドSな旦那様の甘やかし政略結婚~
『隆成とは仲よくやってる?』

とっさに訊かれ、一瞬固まる。

「……はい! もちろんです」

すぐに明るく返した。

本当は今日の話や、隆成さんの日々の尊大な言動の数々を聞いてほしかったけれど心に秘める。

私は光一さんのために隆成さんと結婚した。

だから光一さんに愚痴ってはだめだ。

光一さんを心配させたくはない。

『そっか』

「私たちの心配はご無用ですよ。だから光一さん、お仕事がんばってくださいね」

なによりも彼のセカンドキャリアを応援したい。

『ありがとう。隆成は無神経なところもあるけど、きちんと誠実な奴だから信じてあげてね』

光一さんの言葉にドキッとした。偶然なのだろうけれど、まるでなにもかも見透かされているかのようだ。

「……はい」

『なにかあればいつでも電話してね』

そう言ってもらい、通話を終えた。

ソファに深く沈み込んでいると、そのタイミングで玄関が開く音がする。

「ただいま」

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