俺様外科医は初恋妻に一途な愛を貫く~ドSな旦那様の甘やかし政略結婚~
赤の他人のふたりがいきなり一緒に暮らすのだから、時間が必要なのだとお義父さまは語った。

「そうですね」

すぐに無理だと投げ出すのは簡単だけれど、それを乗り越えてこそ心を通わせられるのだろう。

「まあ、千里ちゃんと隆成はすでにうまくやっているようだし、孫の顔を見られる日も近そうだな」

「孫ですか」

思わず復唱してしまった。

「ああ、別に急かしているわけではないからね。私が勝手に楽しみにしているだけだから」

それは十分急かしているのではないだろうか。

現在孫ができている確率はゼロだと知れば、お義父さまは言葉を失うかもしれない。


その夜。

「今日父さんに呼び出されただろ。なにを言われた?」

リビングで隆成さんに問いかけられた。

「隆成さんの不徳を詫びられました」

「孫を楽しみにしていると言われなかったか?」

「えっ、隆成さんも言われたんですか?」

「やっぱり父さん、千里にも言っていたのか」

隆成さんは呆れたようにため息をつく。

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