俺様外科医は初恋妻に一途な愛を貫く～ドＳな旦那様の甘やかし政略結婚～

「リュウセイ、マイダーリン、会いたかったよ」

「誰がおまえのダーリンだ」

「いつもの僕のジョークだろ？」

アシェルさんは軽快に笑った。

困惑していると、隆成さんが事務員の私たちにアシェルさんを簡単に紹介してくれる。

「彼はアメリカにいたとき、同じ大学病院で働いていた医師だ」

「みなさん、はじめまして。お会いできてうれしいです」

アシェルさんは気さくな性格のようで、みんなに向かって白い歯をこぼした。

そして、きょろきょろと辺りを見回す。

「ところでリュウセイ、君のプリンセスはどこだい？　ここで働いていると言っていっただろう？」

「ああ。そこにいる」

隆成さんに目配せされ、反射的にぺこっとお辞儀した。

アシェルさんは顔を輝かせる。

「君だったのか。たしか、名前はチサトと聞いたが……」

「はい」

「チサト、院内を案内してくれないかい。君とゆっくり話してみたいし、この病院がとても気になるんだ」