俺様外科医は初恋妻に一途な愛を貫く~ドSな旦那様の甘やかし政略結婚~
たしかに相当免疫力がついているのかもしれないけれど、どうしても昔の記憶が甦ってしまうのだ。同じ轍は踏みたくなかった。
「でも……」
「子どもの頃とは違う。証明してやろうか?」
上体を屈めた隆成さんがシーツに手をつき、顔を近づけてきた。
ちゅっと音を立てて唇を啄まれ、私は目を見開く。
「なにするんですかっ」
キスするなんてありえない。
「これで俺が風邪をひくかどうか、楽しみだな」
強気で微笑む彼を、迫力のない目で睨み上げる。
「隆成さんはばかです」
「俺にはおまえの『ばか』が愛の言葉に聞こえるよ」
「……本当にばかです」
消え入りそうな声で繰り返すと、彼は愛おしそうに頬を緩める。
「仕事に行ってくる。おとなしく寝てろよ」
「……はい」
彼が出勤しても、胸のドキドキが止まらなかった。
これは絶対に熱のせいじゃない。
結論。
隆成さんに私の風邪はうつらなかった。
翌日、勝ち誇る彼に少し呆れたのは言うまでもない。本当にこういうところはいつまでも子どもっぽい人だ。
私もすぐに熱が下がり、元気になった。
「でも……」
「子どもの頃とは違う。証明してやろうか?」
上体を屈めた隆成さんがシーツに手をつき、顔を近づけてきた。
ちゅっと音を立てて唇を啄まれ、私は目を見開く。
「なにするんですかっ」
キスするなんてありえない。
「これで俺が風邪をひくかどうか、楽しみだな」
強気で微笑む彼を、迫力のない目で睨み上げる。
「隆成さんはばかです」
「俺にはおまえの『ばか』が愛の言葉に聞こえるよ」
「……本当にばかです」
消え入りそうな声で繰り返すと、彼は愛おしそうに頬を緩める。
「仕事に行ってくる。おとなしく寝てろよ」
「……はい」
彼が出勤しても、胸のドキドキが止まらなかった。
これは絶対に熱のせいじゃない。
結論。
隆成さんに私の風邪はうつらなかった。
翌日、勝ち誇る彼に少し呆れたのは言うまでもない。本当にこういうところはいつまでも子どもっぽい人だ。
私もすぐに熱が下がり、元気になった。