俺様外科医は初恋妻に一途な愛を貫く~ドSな旦那様の甘やかし政略結婚~
余程のことがないと、光一さんは東京には帰ってこないつもりのようだ。

「光一さんは島のみんなの命を背負っていますからね」

『こっちに来て一段と命の重みを感じているよ。懸念やプレッシャーもあるけど、毎日がとても充実しているんだ』

光一さんは使命感に満ち溢れているようだった。

そのまっすぐな声には逞しささえ感じる。

「本当に光一さんはすごいですね」

『そんなことないよ。隆成も病院の後継者として、しっかりやってるんだろ』

「はい。休むと腕が錆びつくっていうのが口癖で、いつも院内を駆け回っています」

『そういえば、初日に医局へ挨拶に行っただけの日にも手術をしたって聞いたな』

「そうなんですよ。そんな副院長、あまりいないですよね」

『でも隆成らしいよね。少しくらい一緒に働いてみたかったな』

ふたりは入れ違いだったから、同じ病院の医師として働いている期間がなかった。

私も白衣姿のふたりが並んでいるところを見たかったなと思う。

「誰と話してる」

「きゃっ!」

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