青時雨
それから伊東のマリーナに着岸して、私たちは冷蔵庫に残っていた食材全てで、ディナーの用意をした。
悠介さんは、キャビン下のワインセラーからとっておきのヴィンテージを取り出して、二人のグラスにサーブしてくれた。
そして、淡いキャビンの灯りの下で、お食事をして、ワインを楽しんで、何度も口付けした。
それから──。
私たちは順番にシャワーを浴びて、素肌にバスタオルを巻いただけの姿で、船首のベッドルームのドアを閉めた。
「この部屋はオーナーズキャビンと言って、船長の私室なんです」
悠介さんが言った。
「つまり、船長と船長の特別な客人しか、入ることが許されないスペースなんです」
そう囁いて、悠介さんは後ろから私を抱きしめた。
キャビンの仄かな灯りに浮かび上がる悠介さんの身体は、彫刻のように美しくて、猛々しかった。
その猛々しい力の全てで、悠介さんは私を愛してくれた。
私の身体は、悠介さんの猛々しさに、押し付けられ、突き上げられ、貫かれた。
悠介さんの激しい息遣いを、私は甘え声で誘って、快楽に消え入るような喘ぎで、彩った、
幾度もの絶頂の果て、魂が抜けていくような叫びを残して、私は意識を失った。