青時雨
シュノーケリングを存分に楽しんだ後、私たちはヨットに戻って、シャワーで塩水を洗い流してから、ささやかな昼食を取った。
悠介さんが慣れた手付きでサンドイッチを作ってくれて、それを冷えた缶ビールで流しこんだ。
シュノーケリングの心地よい疲労感と、シャワーを浴びてさっぱりした素肌、それにビールのアルコールも回ってきて、瞼が自然に重くなってくる。
「日差しも強いし、このままお昼寝にしましょうか」
悠介さんが笑って言った。
私はお言葉に甘えて、キャビンのソファーをベッド代わりに休ませてもらうことにした。
悠介さんは番も兼ねて、デッキのシートスペースで仮眠するそうだ。
キャビンに入って扉を閉じて、ブランケットをシーツ代わりに、ソファーに身体を横たえた。
ヨットは波を受けて、ゆっくりと心地よく揺れている。
船腹に当たる波音を聞いているうちに、深い眠りに落ちていた。