片恋プロセス
6
別に庇護欲そそる様な子がタイプな
訳ではないと思う。七海がそう見えて、
そういうタイプだと思われてたの
かもしれないが、特に自分のタイプ
なんて深く考えた事なんてなかった。
比べる訳ではないが華は、七海とは
全く違うタイプだった。初めて会った時
から目を引く存在ではあったが所詮は
友達の妹。
恋愛感情の有る無しは別として、
高校にしても大学にしても自分で
目標をしっかり決め、それに対して
ひたすら努力し実現する姿は好感が
持てた。そんな華だったからこそ、
あの時“何が何でも、説得する”と言った 言葉に絶対的な信用が持てた。
確かに意に沿わない結婚だった。
それでも結婚生活の中で、初めて
見るような華の態度や仕草に何度も
心奪われてきた。可愛い、愛しいと
感じ独占欲すら抱いていた。
何年も付き合ってきた七海に
対してですら抱かなかった感情。
それを伝えもせずに、俺は結婚して
からの華との関係に満足して
胡座をかいていた。
俺の言葉1つで行動を起こす
真っ直ぐな性格、
ひたすら俺の為に努力を惜しまない
強い姿勢、
そして、何より俺の事を一途に
思ってくれている事
素直に愛しいと思う。
華に今すぐ伝えたい。
その為に何をすべきか。
俺自身動かなきゃいけない。