特等席〜私だけが知っている彼〜
椿芽がお礼を口にすると、その手を五十鈴は取り、手の甲にキスを落とす。それはまるで童話の王子が姫君にするもののようだ。
「あっ……」
顔中が真っ赤になっていく椿芽を見て、「可愛い」と言いながら五十鈴はもう一度キスを落とす。
「ねえ、今度は口にしていい?」
五十鈴に見つめられ、椿芽はコクリと頷く。刹那、優しく甘いキスの雨が降り注いだのだった。
五十鈴に写真のことを打ち明けてから三週間ほどが経った。仕事が休みの日、椿芽は変装をした五十鈴とショッピングモールへと出かけている。五十鈴に誘われたためだ。
「椿芽、このワンピース可愛いよ。きっと似合うと思う」
とある服屋の前で五十鈴が足を止め、ハンガーにかけられたワンピースを手に取る。ドット柄の白いワンピースだ。腰にはリボンが巻き付けられ可愛らしい。
「わあ、可愛い!でも……」
椿芽は五十鈴の手をジッと見つめる。そこには、服屋のロゴが書かれた紙袋があった。仕事の時に着ていく服をさっき買ったばかりなのだ。
「あっ……」
顔中が真っ赤になっていく椿芽を見て、「可愛い」と言いながら五十鈴はもう一度キスを落とす。
「ねえ、今度は口にしていい?」
五十鈴に見つめられ、椿芽はコクリと頷く。刹那、優しく甘いキスの雨が降り注いだのだった。
五十鈴に写真のことを打ち明けてから三週間ほどが経った。仕事が休みの日、椿芽は変装をした五十鈴とショッピングモールへと出かけている。五十鈴に誘われたためだ。
「椿芽、このワンピース可愛いよ。きっと似合うと思う」
とある服屋の前で五十鈴が足を止め、ハンガーにかけられたワンピースを手に取る。ドット柄の白いワンピースだ。腰にはリボンが巻き付けられ可愛らしい。
「わあ、可愛い!でも……」
椿芽は五十鈴の手をジッと見つめる。そこには、服屋のロゴが書かれた紙袋があった。仕事の時に着ていく服をさっき買ったばかりなのだ。