特等席〜私だけが知っている彼〜
(変装してても五十鈴くんはかっこいいからなぁ……)
チラリと五十鈴の横顔を見つめ、椿芽は頬を赤く染める。アイドルの五十鈴を今は椿芽が独り占めしているのだ。嬉しさを覚え、腕に抱き付くと「こら、歩きにくい」と言いながらも五十鈴は笑ってくれる。
椿芽が写真や手紙のことを打ち明けたあの日から、五十鈴は時間を見つけては家に帰って来てくれるようになった。そして、少しでも時間があれば外に椿芽を連れ出してデートをする。そして、まるで誰かに見せつけるようにイチャついてくるのだ。
「お昼食べたらさ、腕時計一緒に選んでくれない?ずっとつけてた時計、最近よく時間狂っちゃうんだよね」
「別にいいけど、私は五十鈴くんみたいにセンスよくないよ?」
「椿芽に選んでほしいの〜!」
「わかったわかったから」
そんなことを話しながら二人は歩いていく。幸せで溢れていたため、椿芽の耳にシャッター音は届かなかった。
翌日、椿芽は珍しく撮影時間が遅くなった五十鈴に見送られながら仕事に向かい、子どもたちに絵本の読み聞かせをしたりして過ごし、保育園を出る。穏やかで何気ない一日だ。
チラリと五十鈴の横顔を見つめ、椿芽は頬を赤く染める。アイドルの五十鈴を今は椿芽が独り占めしているのだ。嬉しさを覚え、腕に抱き付くと「こら、歩きにくい」と言いながらも五十鈴は笑ってくれる。
椿芽が写真や手紙のことを打ち明けたあの日から、五十鈴は時間を見つけては家に帰って来てくれるようになった。そして、少しでも時間があれば外に椿芽を連れ出してデートをする。そして、まるで誰かに見せつけるようにイチャついてくるのだ。
「お昼食べたらさ、腕時計一緒に選んでくれない?ずっとつけてた時計、最近よく時間狂っちゃうんだよね」
「別にいいけど、私は五十鈴くんみたいにセンスよくないよ?」
「椿芽に選んでほしいの〜!」
「わかったわかったから」
そんなことを話しながら二人は歩いていく。幸せで溢れていたため、椿芽の耳にシャッター音は届かなかった。
翌日、椿芽は珍しく撮影時間が遅くなった五十鈴に見送られながら仕事に向かい、子どもたちに絵本の読み聞かせをしたりして過ごし、保育園を出る。穏やかで何気ない一日だ。